前々回に引き続き令和7年度税制改正大綱の主要な改正項目の一部をまとめてみました。なお、大綱として決定されたもので、法律は成立していませんのであらかじめご承知置き下さい。
(1) 法人課税
① 企業版ふるさと納税
企業版ふるさと納税では寄附活用事業に係る執行上のチェック機能の強化といった制度改善策が講じられその適用期限が3年間延長されます。この制度は青色申告書を提出する法人が、認定地方公共団体に対してその地方公共団体が行うまち・ひと・しごと創生寄附活用事業に関連する寄附を行った場合に、税負担軽減(寄附額の最大約9割)の措置が講じられる制度です。
(2) 資産課税
① 法人版事業承継税制の特例措置
法人版事業承継税制の特例措置に係る適用要件のうち役員就任要件について、現行では贈与の日まで引き続き3年以上にわたり特例認定贈与承継会社の役員等であることが求められていますが、要件が緩和され下記の通り贈与の直前において役員等であることに見直されます。
後継者要件 | 改正前 | 改正後 |
---|---|---|
役員就任要件 | 贈与の日まで引き続き3年以上特例認定贈与承継会社の役員等であること | 贈与の直前において特例認定贈与承継会社の役員等であること |
なお、本措置の適用期限は令和9年12月31日で今後とも延長しないこととされていますが、事業承継による世代交代の停滞や地域経済の成長への影響に係る懸念も踏まえ、事業承継のあり方について今後検討するとされています。
(3) 個人所得課税
① 生命保険料控除の控除額の引上げ
新生命保険料に係る一般生命保険料控除について、居住者が23歳未満の扶養親族を有する場合には、当該一般生命保険料控除の控除額の計算が下記の通り改正される予定です。
控除限度額 | ||||
---|---|---|---|---|
改正前 | 改正案 | |||
①一般生命保険料控除 | 所得税 | 23歳未満の 扶養親族あり | 4万 | 6万 |
23歳未満の 扶養親族なし | 4万 | |||
②介護医療保険料控除 | 所得税 | 4万 | 4万 | |
③個人年金保険料控除 | 所得税 | 4万 | 4万 | |
④合計(①+②+③) | 所得税 | 12万 | 12万 |
令和8年分における所得税から適用されます。なお、合計適用限度額については、現行の12万円から変更されないため、すでに限度額に達している対象者の税額には影響ありません。