令和3年度税制改正により、賃上げ・投資促進税制と所得拡大促進税制の適用要件等に大幅な見直しが行われており、今回は、人材確保等促進税制について説明します。
適用対象法人及び適用期間
青色申告書を提出する法人で令和3年4月1日から令和5年3月31日までの間に開始する各事業年度
適用要件
雇用者給与等支給額>比較雇用者給与等支給額
(新規雇用者給与等支給額-新規雇用者比較給与等支給額)/新規雇用者比較給与等支給額 ≧ 2%
税額控除限度額
控除対象新規雇用者給与等支給額×税額控除率15%(法人税額の20%が上限)
(注)控除対象新規雇用者給与等支給額は、雇用者給与等支給額の増加額を上限とします。
なお、上乗せ要件として教育訓練費の額が前年度より20%以上増加した場合には税額控除率が5%上乗せされ20%となります。
具体例
令和4年3月期
雇用者給与等支給額 12,000千円
新規雇用者給与等支給額 4,000千円
控除対象新規雇用者給与等支給額 4,000千円
当期の法人税額 2,000千円
令和3年3月期
比較雇用者給与等支給額 10,000千円
新規雇用者比較給与等支給額 3,800千円
適用要件
12,000千円(雇用者給与等支給額)>10,000千円(比較雇用者給与等支給額)
[4,000千円(新規雇用者給与等支給額)-3,800千円(新規雇用者比較給与等支給額)]/3,800千円(新規雇用者比較給与等支給額)=5.26 ≧ 2%
∴ 適用あり
税額控除限度額
4,000千円(控除対象新規雇用者給与等支給額)>12,000千円-10,000千円=2,000千円(雇用者給与等支給額の増加額)
∴ 2,000千円
2,000千円×15%=300千円(当期法人税額2,000千円×20%=400千円を限度)
∴ 税額控除額 300千円