前回の中小企業経営強化税制に引き続き、今回は、従来からある中小企業投資促進税制について改めて制度の概要をまとめるとともに、両制度の違いについて説明します。
制度の概要
青色申告書を提出する中小企業者等(資本金1億円以下の法人等)が、令和5年3月31日までに新品の特定機械装置等の取得等をして、国内にあるその法人の指定事業の用に供した場合には、取得価額の30%の特別償却ができます。また、特定中小企業者等(資本金が3千万円以下の法人等)では、上記の特別償却又は取得価額の7%の税額控除が選択適用できます。
適用対象資産
設備 | 取得価額等要件 |
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機械装置 | 1台又は1基の取得価額が160万円以上のもの |
測定工具・検査工具 | 1台又は1基の取得価額が120万円以上のもの |
一定のソフトウエア | 一のソフトウエアの取得価額が70万円以上のもの(一定のものを除く) |
普通貨物自動車 | 車両総重量3.5t以上 |
内航船舶 | すべて(取得価額の75%が対象) |
適用対象事業者
中小企業経営強化税制 | 中小企業投資促進税制 | |
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対象資産 | 生産等設備を構成する機械装置、工具、器具備品、建物附属設備、ソフトウエア 特定経営力向上設備等に該当し、A~D類型のいずれかに該当 | 機械装置、測定工具及び検査工具、一定のソフトウエア、普通貨物自動車(車両総重量3.5t以上)、内航船舶 |
公的機関の確認及び認定の要否 | A類型・・・工業会の証明書 B~D類型・・・経済産業局の確認書が必要 経営力向上計画に記載されている設備であることが必要 | 一切不要 |
特別償却の内容 | 取得価額の100%償却(即時償却) | 取得価額の30%の特別償却 |
税額控除の内容 | 特定中小企業者等については取得価額の10%、それ以外の中小企業者等については取得価額の7%の税額控除 | 特定中小企業者等についてのみ取得価額の7%の税額控除 |