所得拡大促進税制
(1)概要
青色申告書を提出する法人が、平成25年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する各事業年度において、国内雇用者に対して給与等を支給する場合において、下記の要件をすべて満たした場合には、その雇用者給与等支給増加額の10%相当額の法人税額の特別控除ができる制度です。ただし、控除できる税額は、その適用事業年度における法人税の額の10%(中小企業者等については20%)相当額が限度です。
(2)適用要件
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当期の「雇用者給与等支給増加額」 ≧ 基準雇用者給与等支給額×2%
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(注)平成27年4月1日前に開始する事業年度
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A
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当期の「雇用者給与等支給額」 ≧ 前期の「雇用者給与等支給額」
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(比較雇用者給与等支給額)
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B
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当期の「平均給与等支給額」 > 前期の「平均給与等支給額」
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(比較平均給与等支給額)
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なお、@Aは国内雇用者に対する給与等の支給額が判定対象となり、Bの要件についてのみ継続雇用者に対する給与等の支給額が判定対象となります。
(3)具体的計算
甲社(平成26年7月期決算法人 中小企業者等)
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当期の雇用者給与等支給額 |
120,000,000円 |
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A |
基準雇用者給与等支給額(平成25年7月期の雇用者給与等支給額) |
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100,000,000円 |
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B |
比較雇用者給与等支給額(平成25年7月期の雇用者給与等支給額) |
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100,000,000円 |
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C |
当期の継続雇用者給与等支給額 |
110,000,000円 |
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当期の月別支給対象者の合計数 |
30人 |
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D |
前期の継続雇用者給与等支給額 |
90,000,000円 |
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| 前期の月別支給対象者の合計数 |
31人 |
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E |
当期の所得に対する法人税の額 |
15,000,000円 |
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≪雇用者給与等支給額が増加した場合の法人税額の特別控除の計算≫
T適用要件
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120,000,000−100,000,000=20,000,000 ≧ 100,000,000×2%=2,000,000
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A
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120,000,000 ≧ 100,000,000
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B
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110,000,000/30人=3,666,666 > 90,000,000/31人=2,903,225
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∴ @〜Bの要件をすべて満たすため適用あり
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U特別控除額の計算
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税額控除限度額
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(120,000,000−100,000,000)×10%=2,000,000
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A
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当期税額基準額
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15,000,000×20%=3,000,000
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B
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法人税額の特別控除額 @<A ∴ 2,000,000円
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作成日 平成26年8月4日