アクツナカノ税理士法人 大阪事務所
税制改正

 みなし配当

 平成19年度の税制改正でみなし配当について若干の改正ありましたので、みなし配当制度を改正のあった分割型分割、資本の払戻し等、自己株式の取得を中心に紹介します。

  T 用語の意義

資本金等の額 法人が株主等から出資を受けた金額として政令で定める金額をいいます。
 つまり、資本金の額又は出資金の額と旧資本積立金額の合計額です。なお旧資本積立金額の概念は資本金等の額に含まれ、現在はありません。
利益積立金額 法人の所得の金額で留保している金額として政令で定める金額をいいます。

 利益積立金額を株主等に交付すると原則として配当が発生します、但し金銭や株式の交付がない場合にはみなし配当は発生しません。
 資本金等の額と利益積立金額は政令で限定的に列挙されています。  


  U みなし配当の発生事由

 法人が所有する株式等の発行法人から次に掲げる事由により交付金銭等(金銭や株式等及びその他の資産)の交付を受けた場合には、Vに掲げる金額を配当等の額とみなして、受取配当等の益金不算入の規定を適用します。

合併(適格合併を除く。)
分割型分割(適格分割型分割を除く。)
 


 なお、分社型分割では、適格・非適格に関わらず、分割法人の株主にはその分割による交付金銭等がありませんのでみなし配当は発生しません。
 
分割型分割とは 分割承継法人の株式等(分割承継法人の株式その他の資産)のすべてが分割法人の株主等に交付される場合の分割をいいます
  分社型分割とは 分割承継法人の株式等が分割法人の株主等に交付されず、分割法人に交付される分割をいいます
 
 資本の払戻し(剰余金の配当(資本剰余金の額の減少に伴うものに限る。)のうち、分割型分割によるもの以外のものをいう。)又は、解散よる残余財産の分配
 自己の株式又は出資の取得(市場取引市場における購入による取得、その他一定の取得を除く。)
 出資の消却(取得した出資について行うものを除く。)、出資の払戻し、社員その他法人の出資者の退社又は脱退による持分の払戻しその他株式又は出資をその発行した法人が取得することなく消滅させること。
 組織変更(当該組織変更に際して当該組織変更をした法人の株式又は出資以外の資産を交付したものに限る。)

 適格合併や適格分割型分割は、被合併法人(分割法人)の利益積立金額が合併法人(被分割法人)に引き継がれ交付金銭等に転嫁しないため、みなし配当は発生しません。


  V みなし配当等の額の計算

 法人がその所有する株式等の発行法人から、上記U掲げる事由により交付金銭等の交付を受けた場合において、交付金銭等の合計額(金銭や株式等の額及び金銭以外の資産の価額の合計額)が当該法人の資本金等の額のうちその交付の基因となった当該法人の所有株式等に対応する資本金等の額を超えるときは、その超える部分の金額は配当等の額とみなします。

 利益積立金の資本組み入れや株式の利益消却は利益積立金額が減少しますが、株主に対する株式や金銭の交付がありませんので、みなし配当は発生しません。
<みなし配当等の額>
   Bみなし配当の額 @交付金銭等の額 A株式等に対応する資本金等の額
  上記@「交付金等の合計額」を構成する株式等の額及び金銭以外の資産の価額は、時価により計算します。  


  W 所有株式に対応する資本金等の額の計算方法

 みなし配当の額は、@交付金銭等の合計額からAその交付の基因となる所有株式に対応する資本金等の額を控除した金額です。
 A交付の基因となった「資本金等の額」は交付事由によりそれぞれ以下のとおり定められています。

 一 分割型分割(適格分割型分割を除く。)
  分割法人の分割の日の前日の属する事業年度の末日の分割資本金等の額 × 移転資産の
簿価純資産価額
(注1) × 分割型分割の
直前所有株式数
分割前事業年度等末の
簿価純資産価額
分割型分割の直前の
発行済株式の総数


 二 資本の払戻し又は、解散による残余財産の分配
  資本の払戻し、残余財産の分配の直前資本金等の額 × 減少した資本剰余金の額又は分配した残余財産の額 (注2) × 払戻等の直前に有していた株式の数
前事業年度末の簿価純資産価額 払戻等の直前の発行済株式の総数

<改 正>
 上記 一、二の算式において資本金等の額がゼロ以下である場合には(注1)(注2)の割合はゼロとし、(注1)(注2)の算式において分子がゼロを超えかつその分母がゼロ以下である場合には(注1)(注2)の割合は1とする。

 三 自己株式の取得等
  自己株式の取得等の直前の資本金等の額 × 自己株式の取得等直前に有していた自己株式の取得等に係る株式の数
自己株式の取得等の直前の発行済株式株式総数


<改 正>
 自己株式の取得で金融商品取引所の開設する市場における購入等一定の場合にはみなし配当が発生しないことになっていますが、その範囲が追加されました。


  X 自己株式の取得の場合

 例えば、自己株式の取得の場合のみなし配当金の計算は次のようになります。
 自己株式取得に係る @1株当たりの交付金銭3,000円、A1株当たりの資本金等の額500円、と仮定した場合の1株当たりのみなし配当金は2,500円になります。

<算 式>  @交付金銭等の額3,000円−A資本金等の額500円=2,500円

 この株式を1,000株所有する個人が受け取った場合には、250万円が配当所得として総合課税の対象になります(配当控除、源泉所得税の控除の適用があります)。
 法人が受け取った場合には、受取配当金として益金の額に算入し、受取配当等の益金不算入の規定が適用できます(源泉所得税の控除の適用があります)。


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